核融合発電は海水中の重酸素などを燃料とし原子核が融合する際のエネルギーを使って発電するシステムだ。重酸素1gで石油8トンに相当するエネルギーを生むらしい。二酸化炭素を出さず安定した無尽蔵のエネルギーの恩恵を受けることができる。核融合反応は太陽で行なわれている反応と同じでまさしく 地球に小さな太陽を作るようなものだ。
「ポスト資本主義」(広井良典)より抜粋 |
斉藤幸平は著書「マルクス解体」で次のように述べている
社会は、とりわけ豊かな国は、定常型経済へと移行しなければならない。そのためには、純資本形成のない経済、つまり太陽からのエネルギー収支に収まる経済へと移行することが必要である。発展は、とりわけ豊かな経済圏においては、質的、集団的、文化的と言う新しい形態を取らなければならない。
それはマルクス独自の社会主義の見解と調和した持続可能な人間の発展を強調するものである。
P318
「コモンとしての富」をより高次の形で再建することを目指すなら技術の発展は不可欠だ。けれども、そのような生産力の増大を浪費のために使う資本主義とは異なり、脱成長コミュニズムは無限の経済成長を目指すのを止め、贅沢な浪費を促すような部門の生産を減少させるための社会計画と規制を導入する。そのかわり、基本的なサービスの脱商品化や公共支出を通じて「コモンとしての富」を拡張していくことによって、人々は、長時間働いたり昇進したりすることで、より高収入を常に求めなくても、基本的な要求を満たすことができるようになる。アトム化した際限のない競争へのプレッシャーを軽減していくことで、市場外での自由な選択の可能性を拡大していくのである。
P352